駅を出て最初に目に入るコンビニは、どのチェーンのことが多いのでしょうか。全国の店舗数ではセブン-イレブンが最も多いので、なんとなく「セブンだろう」と思っていました。ところが、全国1,882駅について駅にいちばん近いコンビニを1軒ずつ調べると、最も多かったのはファミリーマートでした。
この記事では、数え方、全国の結果、地方ごとの違い、そしてデータの限界を順に書きます。
数え方
対象は、住みやすさ駅前スコアで扱っている全国1,882駅です。乗降客数の分かる駅でいうと、1日の乗降客数が最も少ない駅で975人。地方の小さな無人駅までは含んでいない点に注意してください。
店の場所は、誰でも編集できる地図のOpenStreetMap(2026年9月28日時点)から取りました。駅の代表地点から1.6km以内にある、名前の登録されたコンビニのうち、いちばん近い1軒のチェーンを数えています。
同じチェーンでも登録のされ方はばらばらです。「セブン-イレブン」が1,760件あった一方で、「セブンイレブン」(ハイフンなし)が37件、「7-Eleven」が12件ありました。これらは同じチェーンとしてまとめています。ナチュラルローソンやローソン・スリーエフはローソンに含めました。ローソンストア100は品ぞろえも価格帯も違うので別に数えています。JR東日本の駅ナカにあるNewDaysとKIOSKは、「NewDays・KIOSK」としてまとめました。
全国の結果:最寄りはファミリーマートが最多
1.6km以内に名前の分かるコンビニが1軒も無かったのは、1,882駅のうち3駅だけでした。
ファミリーマートが最寄りの駅は634駅で、全体の3分の1です。セブン-イレブンは530駅で2位でした。
ただし、「駅から3軒目までにあるか」で数え直すと順位が入れ替わります。
| チェーン | 最寄りの1軒 | 近い3軒のどれか |
|---|---|---|
| セブン-イレブン | 28.2% | 82.6% |
| ファミリーマート | 33.7% | 74.2% |
| ローソン | 20.4% | 61.0% |
セブン-イレブンは、駅前のどこかにはたいていあります。一方で、改札を出て最初の1軒になる率はファミリーマートの方が高い、という結果です。大手3チェーンが3軒以内にすべてそろう駅は555駅(29.5%)でした。
理由はデータからは断定できません。考えられることの一つは、ファミリーマートが2010年にam/pmを、2016年にサークルK・サンクスを統合し、もともと駅の近くにあった店を多く引き継いだことです。ただ、統合前の店の位置のデータは持っていないので、これは確かめていない推測です。
地方ごとの違い
地方別に見ると、全国の順位とはかなり違う地域があります。
| 地方 | 駅数 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 57 | ローソン 40.4% | セブン-イレブン 26.3% | ファミリーマート 17.5% |
| 東北 | 33 | NewDays・KIOSK 57.6% | ファミリーマート 21.2% | セブン-イレブン 12.1% |
| 関東 | 998 | ファミリーマート 33.6% | セブン-イレブン 26.8% | ローソン 18.0% |
| 中部 | 168 | ファミリーマート 42.9% | セブン-イレブン 22.6% | ローソン 15.5% |
| 近畿 | 487 | ファミリーマート 33.3% | セブン-イレブン 32.0% | ローソン 24.6% |
| 中国 | 34 | セブン-イレブン 52.9% | ローソン 29.4% | ファミリーマート 11.8% |
| 四国 | 12 | セブン-イレブン 58.3% | ローソン 25.0% | ファミリーマート 16.7% |
| 九州・沖縄 | 90 | ファミリーマート 46.7% | セブン-イレブン 27.8% | ローソン 20.0% |
目立つところを挙げます。
- 北海道は、セイコーマートが57駅中9駅で最寄りでした(15.8%)。道内に店の多い地元のチェーンで、ほかの地方では1駅もありません。北海道で1位はローソンです
- 東北は、駅ナカのNewDays・KIOSKが最寄りの駅が6割近くあります。対象の駅に新幹線や在来線の主要駅が多く、駅舎の中の店がいちばん近くなるためです。改札の外で探すなら、実際に使うのは2軒目以降になることも多いはずです
- 中国・四国はセブン-イレブンが1位です。ただし駅数が34駅と12駅なので、1駅の違いで割合が大きく動きます
- 府県単位では、滋賀県で18駅中15駅がセブン-イレブン、兵庫県で105駅中44駅がセブン-イレブンでした。大阪府は266駅中101駅がファミリーマートで、隣り合う府県でも1位が違います
都道府県ごとの1位を地図にすると
- ファミリーマート(17)
- セブン-イレブン(15)
- NewDays・KIOSK(8)
- ローソン(4)
- 同数で並ぶ(3)
かっこ内は1位になった都道府県の数。駅が3〜5駅しかない県も多いので、色は傾向として見てください。パソコンでは、県の上にカーソルを置くとチェーン名と駅の数が出ます。
地図は2026年10月6日に、建物として登録された店も含めて数え直した値です。そのため、本文の表と数駅ずれる県があります。NewDays・KIOSKが1位になったのは、青森・岩手・秋田・山形・福島の東北5県と、山梨・茨城・群馬の計8県でした。どれもJR東日本の路線が走る県です。北海道はローソンが1位でした。
大きな駅と小さな駅での違い
乗降客数で駅を3つに分けると、大きな駅ほどNewDays・KIOSKが増えます。
| 乗降客数(1日) | ファミリーマート | セブン-イレブン | ローソン | NewDays・KIOSK | 最寄りまでの距離(中央値) |
|---|---|---|---|---|---|
| 多い3分の1(約3.8万人〜) | 34.3% | 25.0% | 18.8% | 12.7% | 50m |
| 中ほど(約1.8万〜3.8万人) | 35.1% | 29.6% | 18.3% | 6.1% | 50m |
| 少ない3分の1(〜約1.8万人) | 31.7% | 30.1% | 24.0% | 4.5% | 70m |
小さな駅ほど、セブン-イレブンとローソンの割合が上がります。駅前に店が少ないぶん、郊外型の店がいちばん近くなる駅が増えるためと考えられます。
駅からコンビニまでの距離
最寄りのコンビニまでの距離(地図上の直線距離)は、全国の中央値で60mでした。
| 距離 | 駅の割合 |
|---|---|
| 100m以内 | 78.9% |
| 200m以内 | 91.4% |
| 400m以内 | 96.9% |
| 800m以内 | 99.2% |
8割近くの駅で、100m以内にコンビニがあります。500mより遠かったのは32駅です。直線距離なので、線路の反対側にある店は実際にはもっと歩きます。
地図データの弱いところ
- OpenStreetMapは有志が登録した地図です。 登録漏れの店や、閉店したのに残っている店があります。とくに地方の駅では、実際より少なく出ている可能性があります
- 距離は「駅の代表地点」からの直線距離です。 大きな駅では、どの出口から出るかで最寄りの店が変わります
- 名前が登録されていない店は数えていません。 最寄りの店の名前が空欄の場合、2軒目が最寄りとして数えられます。1,882駅のうち、最寄りの店と、名前の分かる最も近い店が別の店だった駅は12駅でした
駅を出て最初の1軒
コンビニは、ほとんどの駅で100m以内にあります(中央値60m)。改札を出て最初に目に入るのはファミリーマートが多く、少し歩けばセブン-イレブンがある、というのが全国でよく見る形でした。北海道のセイコーマート、東北の駅ナカのNewDaysのように、地方ごとの顔ぶれもあります。
公共料金の支払いや荷物の受け取りなど、特定のチェーンのサービスを使いたいなら、駅を決める前に地図で近くの店を見ておくと後で困りません。