「Lサイズのロッカーならスーツケースが入る」と思っていませんか。私もそう思っていました。ところが、駅のコインロッカーの内寸を事業者ごとに並べてみると、同じ「L」でも高さが倍近く違いました。
この記事は、2026年9月まで公開していたコインロッカー検索のために集めたデータ(427駅・818か所)を使っています。
事業者ごとの内寸
データのうち、内寸(箱の内側の大きさ)が公開されていた事業者の数字です。表記は「幅×奥行×高さ」です。
| 事業者 | サイズ名 | 内寸(cm) | 料金(いちばん多い額) |
|---|---|---|---|
| マルチエキューブ(JR東日本系) | SS | 34×65×15 | 800円 |
| S | 34×65×33 | 1,000円 | |
| M | 34×65×50 | 1,100円 | |
| L | 34×65×86 | 1,300円 | |
| 東急線 | SLIM | 13.5×64×32.5 | 300円 |
| S | 34.2×57.5×31.6 | 500円 | |
| L | 34.2×57.5×50.2 | 600円 | |
| LW | 34.2×57.5×84.3 | 900円 | |
| 横浜市営地下鉄 | S | 34.2×57.5×32 | 500円 |
| M | 34.2×57.5×49.2 | 700円 | |
| L | 34.2×57.5×84 | 1,000円 |
東急線のLは高さ50.2cmで、JR東日本系のM(50cm)とほぼ同じ大きさです。 JRのLに相当するのは、東急線ではLWという名前のサイズです。横浜市営地下鉄は、JRと同じようにLが80cm台ですが、奥行はJRより7.5cm浅くなっています。
つまり、「L」という名前だけでは、どのくらいの荷物が入るか分かりません。
さらに、東京メトロのロッカーはサイズの名前ではなく料金(300円・500円・600円・900円・1,000円)で区分されていて、内寸は公開されていませんでした。京王線、西武線、一部の私鉄のロッカーも、サイズ名と料金だけで内寸が分かりませんでした。
幅はどこもほぼ34cm
内寸が分かったロッカーでは、東急線の細長いSLIMを除き、幅はすべて34〜34.2cmでした。違うのは奥行(57.5cmか65cm)と高さです。
これは、荷物の厚みが34cmを超えると、どのサイズにも入らないということでもあります。スーツケースの厚み(床に置いたときの横幅の短い方)はたいてい30cm前後なので、多くは問題ありません。ただ、大きなボストンバッグやふくらんだリュックは、厚みが34cmを超えて入らないことがあります。
荷物ごとに必要なサイズ
代表的な荷物の外寸で、どのサイズに入るかを確かめました。荷物は立てても寝かせてもよいものとして、3辺を小さい順に並べて比べています。
| 荷物(外寸の目安) | JR東日本系 | 東急線 |
|---|---|---|
| リュック(30L程度・50×32×20cm) | S以上 | S以上 |
| 機内持ち込みのスーツケース(55×40×25cm) | M以上 | L以上 |
| 預け入れMのスーツケース(67×47×28cm) | L | LW |
| 預け入れLのスーツケース(75×52×30cm) | L | LW |
注意したいのは、機内持ち込みサイズのスーツケースが、JRのSサイズには入らないことです。Sは幅34cm・高さ33cmで、奥行だけが65cmあります。スーツケースを立てても寝かせても、幅40cmの辺を収める場所がありません。
また、預け入れ用のスーツケース(60〜70L以上)は、JRではLにしか入りません。Mは奥行が65cmで、高さ67cm前後のスーツケースは入らないからです。東急線では、Lでは足りず、LWが必要です。
台数で見ると、大きいロッカーは3割
JR東日本系のロッカーについて、サイズごとの台数を数えました。
いちばん多いのはSで、スーツケースの入るLは全体の29.6%です。台数は、事業者が公開しているデータの値をそのまま足したものです。1か所で数百台を超える値もあり、実際の扉の数と一致するかは確かめられていません。台数そのものより、サイズや場所ごとの比率として読んでください。大きな荷物を持った旅行者が多い駅では、Lから先に埋まっていくことになります。
料金はサイズでどう上がるか
JR東日本系では、いちばん多い料金がS 1,000円、M 1,100円、L 1,300円でした。SからLに上げても300円しか変わりません。迷ったら大きい方を選ぶのが安全です。 入らなかったときに取り出して別の空きを探す手間の方が、300円よりずっと大きいからです。
東急線では、S 500円、L 600円、LW 900円でした。JRより安いぶん、奥行が浅く、スーツケースにはLWが必要です。
選ぶときのコツ
- サイズの名前ではなく内寸を見る。 ロッカーの扉や案内板には、たいてい内寸が書かれています
- 荷物の3辺を測っておく。 スーツケースの外寸は、キャスターと取っ手を含めた大きさです。メーカーの表示には、キャスターを含まない数字もあります
- 厚み34cmを超える荷物は、どのサイズにも入らない前提で考える。 手荷物預かり所や、荷物預かりサービスを探す方が早いです
- 機内持ち込みサイズでも、JRならMが要る。 Sに入るのはリュックや小さなバッグまで
データについて
- 数字は2026年9月17日時点の各社の公開情報です。ロッカーは入れ替わることがあるので、実際の大きさは現地の表示で確かめてください
- 集めたデータの85%(697か所)はJR東日本系のマルチエキューブです。首都圏とJR東日本の駅に偏っていて、全国のロッカーの平均を表すものではありません
- 台数はマルチエキューブが公開しているデータの値です。実際の扉の数と一致するかは確かめていません
- 同じ事業者でも、古いロッカーは大きさが違うことがあります。今回のデータでは、JR東日本系の同じサイズ名の内寸はすべて同じでした