大きな駅なら、大きなコインロッカーもたくさんある。そう思って新宿駅や渋谷駅でスーツケースを預けようとして、空いている扉が見つからなかった経験はないでしょうか。
2026年9月まで公開していたコインロッカー検索のデータから、JR東日本系のマルチエキューブのロッカー(349駅・697か所)を取り出して、スーツケースが入る大きいロッカーがどの駅にあるかを数えました。大きいロッカーの数は、駅の乗降客数とはあまり関係がありませんでした。多いのは、新幹線の停まる駅です。
数え方
- 対象は、マルチエキューブが公開している349駅・697か所のロッカーです。マルチエキューブはどのロッカーにも内寸を載せているので、同じ基準で比べられます
- 「スーツケースが入る」は、預け入れサイズのスーツケース(外寸67×47×28cm、60〜70L程度)が入るかで判定しました。マルチエキューブのサイズでは、内寸34×65×86cmのLサイズだけが当てはまります。機内持ち込みサイズ(55×40×25cm)なら、Mサイズ(34×65×50cm)にも入ります
- 台数は、マルチエキューブが公開している値をそのまま足したものです。実際の扉の数と一致するかは確かめられていないので、駅どうしの比較や比率として読んでください
- 乗降客数は国土数値情報の値で、同じ名前の駅は全社の合計です
大きいロッカーの4割近くが、新幹線の21駅に
697か所の台数を合計すると112,710台で、そのうちスーツケースが入るLサイズは33,350台(29.6%)でした。これを、新幹線の停まる駅とそれ以外に分けます。
| 駅数 | 台数 | スーツケースが入る台数 | 割合 | 1駅あたり(中央値) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 新幹線の停まる駅 | 21 | 32,495台 | 12,575台 | 38.7% | 225台 |
| それ以外の駅 | 328 | 80,215台 | 20,775台 | 25.9% | 20台 |
新幹線の停まる駅は、349駅のうち6%しかありません。それなのに、スーツケースが入るロッカーの37.7%がこの21駅にあります。1駅あたりで比べると、中央値で11倍の差です。ロッカー全体に占める大きいロッカーの割合も、新幹線の駅の方が高くなっています。
乗降客数の多い駅より、新幹線の駅の方が多い
乗降客数とスーツケースが入る台数を、いくつかの駅で並べてみます。
| 駅 | 1日の乗降客数 | スーツケースが入る台数 | 新幹線 |
|---|---|---|---|
| 東京駅 | 126万人 | 5,735台 | ○ |
| 上野駅 | 53万人 | 1,820台 | ○ |
| 新宿駅 | 271万人 | 1,520台 | |
| 品川駅 | 89万人 | 1,455台 | ※ |
| 横浜駅 | 194万人 | 1,270台 | |
| 秋葉原駅 | 68万人 | 970台 | |
| 大宮駅 | 69万人 | 860台 | ○ |
| 仙台駅 | 27万人 | 785台 | ○ |
| 池袋駅 | 236万人 | 695台 | |
| 渋谷駅 | 290万人 | 640台 | |
| 長野駅 | 5万人 | 570台 | ○ |
| 越後湯沢駅 | 7千人 | 385台 | ○ |
| 新橋駅 | 79万人 | 365台 |
※品川駅にはJR東海の東海道新幹線が停まります。この記事の「新幹線の停まる駅」はJR東日本の新幹線の駅で数えているので、品川駅は入れていません。
乗降客数が271万人の新宿駅より、53万人の上野駅の方が、スーツケースが入るロッカーが多くなっています。長野駅は1日5万人ほどの駅ですが、乗降客数が40倍以上の池袋駅の8割にあたる570台がありました。1日7千人ほどの越後湯沢駅は385台で、79万人が乗り降りする新橋駅(365台)を上回ります。
新幹線の駅には、遠くから荷物を持って来て、観光や用事の間だけ預けたい人が降ります。通勤や乗り換えの客が多い駅とは、ロッカーに求められるものが違う、ということがデータに表れています。
割合で見ると、秋田駅と新青森駅は半分以上
新幹線の停まる駅の中でも、ロッカー全体に占める大きいロッカーの割合には差があります。
| 駅 | ロッカーの台数 | スーツケースが入る台数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 秋田駅 | 190台 | 110台 | 58% |
| 新青森駅 | 480台 | 265台 | 55% |
| 長野駅 | 1,205台 | 570台 | 47% |
| 東京駅 | 12,705台 | 5,735台 | 45% |
| 一ノ関駅 | 295台 | 130台 | 44% |
| 上野駅 | 4,370台 | 1,820台 | 42% |
| 盛岡駅 | 1,070台 | 425台 | 40% |
| 大宮駅 | 3,200台 | 860台 | 27% |
| 宇都宮駅 | 970台 | 255台 | 26% |
| 高崎駅 | 915台 | 165台 | 18% |
秋田駅と新青森駅では、半分以上がスーツケースの入る大きさです。大宮駅・宇都宮駅・高崎駅では、割合が2割前後まで下がります。どれも東京から新幹線で1時間かからない駅で、東京へ毎日通う人も多い駅です。旅行の客が中心の駅ほど大きいロッカーの割合が高い、と考えると説明がつきます。
新幹線の停まらない駅では、乗降客数が多くても2〜3割
新幹線の停まらない328駅を、乗降客数で分けました。
| 1日の乗降客数 | 駅数 | スーツケースが入る台数(1駅の中央値) | ロッカー全体に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 2万人未満 | 53 | 15台 | 23.4% |
| 2万〜5万人 | 86 | 15台 | 19.8% |
| 5万〜10万人 | 60 | 10台 | 17.8% |
| 10万〜30万人 | 70 | 45台 | 23.2% |
| 30万人以上 | 44 | 60台 | 32.3% |
乗降客数が10万人に届かない駅では、スーツケースが入るロッカーは1駅に10〜15台ほどです。30万人を超える駅でも、中央値は60台にとどまります。新幹線の駅の中央値225台と比べると、4分の1ほどです。
スーツケースが入るロッカーが1台も無い駅も、349駅のうち8駅ありました。
スーツケースを預けたいときにできること
- 新幹線の駅で預けられないか考える。 東京駅・上野駅・大宮駅は、大きいロッカーの台数が多い
- 大きな駅ほど空きがあるとは限らない。 新宿駅や渋谷駅は、乗降客数の割に大きいロッカーが少ない
- 機内持ち込みサイズなら、Mサイズも候補になる。 マルチエキューブのMサイズ(内寸34×65×50cm)には、55×40×25cmのスーツケースが入る
- ロッカーが埋まっていたら、ほかの預け方も考える。 駅のロッカーが全部埋まっていたときの記事にまとめました
数え方の注意
- マルチエキューブのロッカーだけを数えています。同じ駅にある私鉄や地下鉄のロッカー、駅の外の手荷物預かり所は入っていません
- 台数は公開されている値の合計で、実際の扉の数と一致するかは確かめられていません
- 乗降客数は全社の合計です。JR東日本の駅だけの乗降客数と比べると、私鉄や地下鉄の多い駅ほど大きく出ます
スーツケースを預けたい日は
大きいロッカーは、乗り降りの多い駅ではなく、旅行の人が荷物を持って降りる駅にありました。越後湯沢駅に新橋駅より多いのが、その分かりやすい例です。スーツケースを預けたい日は、乗り換えの大きな駅より、新幹線の駅のロッカーを先に当たってみてください。