海外に住む家族へ日本のお菓子や本を送る。留学中の子どもに冬物の服を送る。郵便局の窓口で「EMSでいいですか」と聞かれて、そのまま頼んでいる人も多いと思います。
EMSは速くて追跡もでき、補償も付く便利な方法です。ただ、料金はいちばん高い方法でもあります。購入代行の料金を比べる計算機を作るために日本郵便の料金表を全部読んだところ、荷物の重さと急ぎ具合によっては、半額以下で送れる方法がありました。
送り先・重さ・中身の値段から送料と相手の税をまとめて出す海外発送の計算機も作りました。
日本郵便で海外へ送る4つの方法
| 方法 | 重さの上限 | 届くまでの目安(日本郵便の案内) |
|---|---|---|
| EMS(国際スピード郵便) | 30kg | 3〜18日程度 |
| 国際小包の航空便 | 30kg | 5〜21日程度 |
| 国際小包の船便 | 30kg | 2〜4か月 |
| 小形包装物(航空便) | 2kg | 航空便の扱い。追跡はできない |
このほかに、追跡の付く2kgまでの「国際エアパケット」があります(後で説明します)。かつてあった「エコノミー航空(SAL)便」は、今は取り扱いが止まっています。
料金を比べる
送り先は、日本郵便の地帯区分でまとめました。台湾は第1地帯、香港とシンガポールは第2地帯、イギリス・ドイツ・フランス・カナダ・オーストラリアは第3地帯、アメリカは第4地帯です。
1kgの荷物
| 送り先 | EMS | 航空便(小包) | 船便 | 小形包装物 |
|---|---|---|---|---|
| 台湾 | 2,200円 | 2,050円 | 1,800円 | 1,250円 |
| 香港・シンガポール | 3,150円 | 2,500円 | 2,100円 | 1,460円 |
| ヨーロッパ・カナダ・オーストラリア | 4,400円 | 3,850円 | 2,500円 | 2,130円 |
| アメリカ | 5,300円 | 4,200円 | 2,600円 | 2,720円 |
1kgまでなら、小形包装物がほとんどの送り先でいちばん安く、EMSの半額ほどです。アメリカだけは船便(2,600円)の方がわずかに安くなります。
2kgの荷物
| 送り先 | EMS | 航空便(小包) | 船便 | 小形包装物 |
|---|---|---|---|---|
| 台湾 | 3,400円 | 2,750円 | 2,200円 | 2,250円 |
| 香港・シンガポール | 4,550円 | 3,700円 | 2,600円 | 2,660円 |
| ヨーロッパ・カナダ・オーストラリア | 6,700円 | 6,000円 | 3,100円 | 3,930円 |
| アメリカ | 7,900円 | 6,700円 | 3,300円 | 4,820円 |
2kgになると、小形包装物と船便の差が開き始めます。ヨーロッパやアメリカへは、船便が小形包装物より800〜1,500円ほど安くなります。
5kgの荷物
| 送り先 | EMS | 航空便(小包) | 船便 |
|---|---|---|---|
| 台湾 | 6,400円 | 4,850円 | 3,400円 |
| 香港・シンガポール | 8,150円 | 7,300円 | 4,100円 |
| ヨーロッパ・カナダ・オーストラリア | 13,000円 | 12,450円 | 4,900円 |
| アメリカ | 15,100円 | 14,200円 | 5,400円 |
5kgになると、ヨーロッパやアメリカへの船便はEMSの3分の1ほどです。アメリカへの5kgでは、EMSが15,100円、船便が5,400円で、差は9,700円あります。一方、香港・シンガポールより遠い送り先では、航空便(小包)とEMSの差は1,000円以下しかありません。急ぐなら、わざわざ航空便の小包を選ぶ理由はあまりありません。差はわずかで、EMSの方が速いからです。
2025〜2026年に変わったこと
SAL便は取り扱いが止まっている
「船便より速く、航空便より安い」とされていたエコノミー航空(SAL)便は、今は使えません。日本郵便の発送方法の比較のページには「ただいま、こちらの発送方法のお取り扱いを停止しております」とあり、国別条件表でも「現在、SAL扱いの郵便物の引受けは全面的に停止しています」と書かれています。料金表にはSAL便の欄が残っているので、料金表だけを見て選ばないよう注意が必要です。
小形包装物は追跡ができなくなった
小形包装物は、手紙やはがきと同じ「通常郵便物」の扱いです。以前は書留を付けると追跡できましたが、日本郵便の案内によると「小形包装物の書留扱いは、2025年12月31日(水)をもちまして終了しました」。今は追跡の手段がありません。
追跡が必要な2kgまでの荷物には、「国際エアパケット」が用意されています。2026年6月1日に「国際eパケットライト」から名前が変わり、送り先が全世界に広がりました。料金は100gで第1地帯720円、第4地帯(アメリカ)1,200円からです。ラベルは日本郵便のウェブサイトの「マイページ」で印刷する必要があり、手書きのラベルでは出せません。
アメリカあては、贈り物か売り物かで手続きが違う
アメリカでは2025年8月に少額の荷物の免税がなくなりました(海外の税の記事)。これに合わせて、日本郵便の国別条件表にも新しい決まりが書かれています。
- 書類と、100米ドル以下の個人間の贈り物は、事前の手続きなしで、国際郵便を扱うどの郵便局からでも出せます
- 100米ドルを超え2,500米ドル以下の物、売った物、会社が出す物は、アメリカの税関が認めた事業者のアプリなどで関税を先に払い、日本郵便が指定する郵便局から出す必要があります
- 2,500米ドルを超える物は、アメリカで正式な申告が必要になります
家族への贈り物でも、中身が100米ドル(2026年10月初めのレートで約1万6千円)を超えると、近所の郵便局では出せないことがあります。送る前に、中身の値段を確かめておきましょう。
EUあては、贈り物なら45ユーロ未満は関税がかからない
EUは2026年7月1日に150ユーロ未満の免税をなくしました。日本郵便のお知らせによると、45ユーロ未満の荷物では、ネット通販の品には内容品ごとに3ユーロの関税がかかる一方、個人間の贈り物は免税のままです。45ユーロ以上150ユーロ未満の贈り物には、EUの共通の関税率がかかります。
万一のときの補償の違い
| 方法 | 何もしない場合の補償 | 補償を増やす方法 |
|---|---|---|
| EMS | 2万円まで(無料) | 2万円ごとに50円で、最大200万円まで |
| 国際小包(保険なし) | 重さで決まる額。5kg以下なら11,160円 | 保険を付ける(2万円までで400円から) |
| 小形包装物 | なし | 保険は付けられない |
小形包装物は安い代わりに、追跡も補償もありません。なくなっても戻ってくるお金は無いと考えて、壊れても困らない物、なくなってもあきらめのつく物だけにしておくのが安全です。補償の詳しい話は、荷物が壊れた・届かないときの記事にまとめました。
どの方法を選ぶか
| こんなとき | 向いている方法 |
|---|---|
| 1〜2kgまでの、なくなっても困らない物を安く送りたい | 小形包装物 |
| 2kgまでで、追跡はほしい | 国際エアパケット |
| 重くて、2〜4か月かかってもよい(本、冬物の服など) | 船便 |
| 急ぐ、または高い物を送る | EMS |
| 航空便(小包)を考えている | 料金がEMSとあまり変わらないので、EMSと比べてから決める |
料金や条件は、2026年10月に日本郵便の案内で確かめたものです。送る前には、日本郵便の「料金・日数を調べる」と、送り先の国別条件表も見ておいてください。