海外に住む家族や友人から、「日本のあれを買って送ってほしい」と頼まれることがあります。自分で買って郵便局から送る方法もありますが、海外に住む本人が購入代行サービスを使って買うことも増えています。メルカリやヤフオクのように、海外から直接は買いにくいお店でも買えるからです。
私は、海外の人向けに購入代行5社の総額を比べる英語の計算機(Japan Proxy Cost Calculator)を作っています。そのデータで代表的な買い方を計算してみると、総額のほとんどは送料で、代行会社の手数料の差は思ったより小さいことが分かりました。
計算の前提
- 代行会社:Buyee、ZenMarket、Neokyo、FROM JAPAN、Doorzo の5社
- 料金:各社の公式の料金表(2026年10月6日に確認)
- 国際送料:日本郵便のEMS(2026年10月6日に確認)。5社とも使える発送方法です
- 税:送り先の国の制度(付加価値税・消費税・免税枠・関税)
- Buyeeは補償の無い「ライトプラン」で計算しています
- 国内送料は無料(出品者負担)の場合で計算しています
- NeokyoとDoorzoは決済手数料を公開していないため、0円として計算しています。実際に払う額はこの記事の数字より高くなることがあります
例1:5,000円の商品を1kgでアメリカへ
メルカリで5,000円の商品を1つ買い、1kgの荷物としてアメリカへ送る場合です。
| 代行会社 | 手数料など | 国際送料 | 代行に払う合計 |
|---|---|---|---|
| Doorzo | 200円(決済手数料は非公開) | 5,300円 | 10,500円 |
| FROM JAPAN | 500円 | 5,300円 | 10,800円 |
| Buyee | 500円 | 5,300円 | 10,800円 |
| Neokyo | 850円(手数料350円+梱包500円) | 5,300円 | 11,150円 |
| ZenMarket | 1,203円(手数料800円+決済手数料403円) | 5,300円 | 11,503円 |
いちばん安い会社と高い会社の差は1,003円です。ところが、送料は5,300円で、商品代の5,000円より高くなっています。代行会社をどこにしても、商品代とほぼ同じ額の送料がかかります。
さらにアメリカの場合は、2025年8月29日から少額の荷物の免税(800ドル以下)が止まっていて、金額にかかわらず関税がかかります。2026年7月24日からは、日本製の品物の関税は最低でも12.5%です。フィギュアやプラモデルのように通常の関税が0%の品目は12.5%ちょうどで、5,000円なら625円になります。本や漫画、CDなどは対象外です。この表の合計には、関税を入れていません。
例2:同じ商品を国を変えて送る
同じ条件(メルカリの5,000円の商品、1kg)で、送り先の国だけを変えました。5社のうち最も安い会社の総額です。
| 送り先 | 国際送料 | 税 | 総額 | 商品代に対する倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 台湾 | 2,200円 | 0円(免税枠内) | 7,400円 | 1.5倍 |
| シンガポール | 3,150円 | 734円 | 9,084円 | 1.8倍 |
| オーストラリア | 4,400円 | 940円 | 10,540円 | 2.1倍 |
| アメリカ | 5,300円 | 625円(フィギュアなどの場合) | 11,125円 | 2.2倍 |
| ドイツ | 4,400円 | 1,786円+3ユーロ | 11,386円+3ユーロ | 2.3倍 |
| イギリス | 4,400円 | 1,880円 | 11,480円 | 2.3倍 |
この条件では、どの国でもDoorzoがいちばん安くなりました。手数料が1点200円からと低いためですが、決済手数料を0円として計算しているので、その分は差し引いて見てください。
EMSの料金は、送り先の国を第1〜第5の地帯に分けて決まっています。近いアジアほど安く、この表の国の中ではアメリカがいちばん高い区分です。ヨーロッパは送料ではアメリカより安いものの、商品代と送料を合わせた額に19〜20%の付加価値税がかかります。アメリカの関税は品物代だけにかけて計算したので税額はヨーロッパより小さく、総額ではヨーロッパの2国がいちばん高くなりました。
税の払い方にも会社ごとの違いがあります。たとえばイギリス宛てでは、ZenMarketは税を先に集めて代行への支払いに含めます。ほかの4社では、荷物が届いたときに受け取る人が払います。税額そのものは同じでも、「代行に払う額」だけで比べると、先に税を集める会社が高く見えてしまいます。比べるときは、届いたときに払う額まで足した総額で比べる必要があります。
例3:3つの商品をまとめて送るか、別々に送るか
メルカリで5,000円の商品を別々の出品者から3つ買い、アメリカへ送る場合です。
| 送り方 | 手数料 | 国際送料 | 合計(FROM JAPANの場合) |
|---|---|---|---|
| 3つを1つの箱にまとめる(2kg) | 1,500円 | 7,900円 | 24,400円 |
| 1つずつ3回送る(各1kg以下) | 1,500円 | 15,900円 | 32,400円 |
まとめて送るだけで、送料が8,000円安くなります。これは、代行会社を変えて節約できる額(例1で最大1,003円)の約8倍です。
EMSの料金は重さに比例せず、重いほど1kgあたりが安くなります。
500gの荷物と5kgの荷物では、1kgあたりの送料が2.6倍違います。どの代行会社にも、倉庫で荷物をしばらく預かって、まとめて1つの箱で送る仕組みがあります。無料で預かってもらえる日数は、Buyeeが30日、Neokyoが45日、FROM JAPAN・ZenMarket・Doorzoが60日です。
手数料の仕組みは5社でかなり違う
差は小さいとはいえ、手数料の取り方は会社ごとに違います。買い方によって有利な会社が変わります。
| 会社 | 手数料 | 注意点 |
|---|---|---|
| FROM JAPAN | 1点500円 | 決済手数料と梱包料はかからない |
| Buyee | 1回の購入(ショップは1回の注文)ごとに500円 | 補償を付けるプランは別料金(300〜500円) |
| Neokyo | 1点350円 | 梱包料500円(2kg以上は1kgごとに150円追加) |
| ZenMarket | 1点300〜800円(メルカリ・ヤフオクは800円) | 支払い額に3.5%の決済手数料がかかる |
| Doorzo | 品物代の3%(1点200〜300円) | 決済手数料は支払い方法ごとに違い、料率は公開されていない |
ZenMarketの決済手数料は、商品代だけでなく送料を含めた支払い額全体にかかります。そのため、高い商品や重い荷物ほど差が開きます。例として、ヤフオクで50,000円の商品を3kgでアメリカへ送ると、決済手数料は2,216円になりました。この条件では、最も安い会社との差は2,716円です。
安くしたいなら
代行会社を比べるのも悪くありませんが、5,000円・1kgの荷物で縮められるのは最大1,003円です。3つの品物を1箱にまとめるだけで、送料は8,000円下がりました。先に見るべきは送料の方です。
数字は2026年10月6日時点のものです。買う前には、各社の公式の料金表も確かめてください。