雪の積もった郵便ポスト

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海外への小さな荷物にも税金がかかる時代に|アメリカ・EU・イギリスなど9か国の免税枠を比べた(2026年)

写真: Takashi Hososhima from Tokyo, Japan(CC BY-SA 2.0)

海外に住む家族や友人に、日本からちょっとした物を送る。以前なら、数千円の品物に税金がかかることは、多くの国でほとんどありませんでした。少額の荷物には「免税枠」があったからです。

その免税枠が、2025年から2026年にかけて、主要な国で次々となくなっています。購入代行の料金を比べるツールを作るときに、各国の制度を一通り調べました。そのとき分かったことを書いておきます。

送り先・重さ・中身の値段から送料と相手の税をまとめて出す海外発送の計算機も作りました。

免税枠とは

多くの国では、輸入される荷物の値段が一定額以下なら、関税や輸入時の消費税(付加価値税)をかけない仕組みがありました。英語では「de minimis(デミニミス)」と呼ばれます。個人が海外の通販で小物を買うたびに税金の手続きをするのは、受け取る人にも税関にも手間がかかるからです。

ところが、海外の通販で安い品物が大量に送られてくるようになり、国内の店との不公平や、税の取りこぼしが問題になりました。そこで各国が免税枠を縮めたり、なくしたりしています。

9か国・地域の制度(2026年10月時点)

国・地域免税枠輸入時の消費税など最近の変化
アメリカなしなし(州の売上税は輸入時には取らない)2025年8月29日に800ドルの免税を停止。2026年6月に無期限化。2026年7月24日から日本製品の関税は最低12.5%
ドイツなし19%(品物代+送料に)2026年7月1日にEUの150ユーロの免税を廃止。150ユーロ以下の通販の荷物には、申告する品目の行ごとに3ユーロの関税
フランスなし20%(品物代+送料に)同上
イギリス関税のみ135ポンドまで20%(品物代+送料に)135ポンドの枠も遅くとも2028年10月に廃止予定(2026年7月に半年前倒し)
シンガポールなし9%(品物代+送料に)2023年1月から少額品にも課税
オーストラリア1,000豪ドルまでは簡易な扱い10%(品物代+送料に)1,000豪ドル以下は、販売者や代行会社が先に集める
カナダ20カナダドルまで5〜15%(州による)―
台湾2,000台湾ドルまで5%(枠を超えた場合)半年あたりの利用回数に制限があると報じられている
香港税そのものがないなし酒・たばこなど一部を除き、関税も消費税もない

ポイントは2つあります。

  1. アメリカとEUでは、金額にかかわらず税がかかるようになった。 数千円の品物でも同じです
  2. ヨーロッパの消費税は、品物代だけでなく送料にもかかる。 送料が高い日本からの荷物では、この差が大きくなります

5,000円の品物を送ると、税はいくらか

5,000円の品物を1kgの荷物にして、EMS(国際スピード郵便)で送る場合の税額を計算しました。

送り先EMSの送料税の計算税額
香港3,150円税なし0円
台湾2,200円2,000台湾ドル(約9,800円)以下なので免税0円
オーストラリア4,400円10%。品物代だけにかけるか、送料や手数料まで含めるかが代行会社によって違う500〜990円
シンガポール3,150円(5,000円+3,150円)×9%734円
ドイツ4,400円(5,000円+4,400円)×19%1,786円+3ユーロ
イギリス4,400円(5,000円+4,400円)×20%1,880円
アメリカ5,300円5,000円×12.5%(フィギュアなど通常の関税が0%の品目)625円

イギリスでは、5,000円の品物に1,880円の税がかかります。送料4,400円と合わせると、品物代の1.26倍を上乗せで払うことになります。

アメリカは消費税が無いかわりに、品目ごとに決まった関税がかかります。2026年7月24日からは日本製の品物に新しい決まりが加わり、通常の関税が12.5%未満の品目は合わせて12.5%、12.5%以上の品目は通常の関税のままになりました。フィギュアやプラモデル、ゲーム機は通常の関税が0%なので、ちょうど12.5%です。本や漫画、CD・レコードなどの情報資料は、この12.5%の対象外です。この記事では、関税を品物代だけにかけて計算しています。

税を「いつ」「誰が」払うか

もうひとつ、知っておきたいのが税の払い方です。

  • 先に払う:購入代行会社や通販サイトが、注文のときに税を上乗せして集める。荷物が届いたときに払うものは無い
  • 届いたときに払う:荷物を受け取る人が、配達のときや、郵便局・運送会社からの請求で払う。運送会社によっては、税とは別に立替の手数料がかかる

同じ税額でも、先に払う方式だと注文のときの金額が高く見え、届いたときに払う方式だと安く見えます。どちらが得かは、税額ではなく、届いたときの手数料があるかどうかで決まります。

贈り物で送る場合は特に注意が必要です。 届いたときに払う方式だと、受け取った相手に税金を払わせることになります。相手の国の制度を先に調べて、必要なら「税は受け取る人が払う必要がある」と伝えておきましょう。

送る側でできること

  • 送り先の国の制度を確かめる。 特にアメリカ・EU・イギリスは、2025年以降に制度が大きく変わっています
  • 品物の値段を正しく書く。 税関告知書に実際より低い値段を書くのは、違法です。見つかれば荷物が止まったり、罰則があったりします
  • まとめて送る。 送料は重いほど1kgあたりが安くなります。ただしヨーロッパでは送料にも税がかかるので、送料を抑えることは税を抑えることにもなります。詳しくは送料の記事に書きました
  • 現地で買えないかを考える。 日本の商品でも、現地の通販や専門店で扱っていることがあります。税と送料を足すと、現地で買う方が安いこともあります

この1年で変わったこと、変わっていないこと

アメリカとEUでは、少額の荷物にも税がかかるようになりました。アメリカは2026年7月から日本製の品物の関税が最低12.5%になり、イギリスの135ポンドまでの関税の免除も、遅くとも2028年10月になくなります。変わっていないのは台湾と香港で、少額なら今も税はかかりません。

贈り物を送るときは、相手に税を払わせることにならないかを、先に確かめておいてください。

この記事は2026年8月に調べ、10月6日に確かめ直した内容です。実際に送る前には、送り先の国の税関や運送会社の案内も見てください。